たまに来院される患者さんから、「同じ怪我や傷めたところを接骨院と整形外科で同時期に治療できますか?」、または「平日は職場の近くの整形で、週末は自宅近くの接骨院で治療を受けることは可能ですか?」といったような質問を受けることがあります。
まず、併診と対診といった言葉があります。併診とは同じ怪我を整形外科と接骨院で治療をするという意味合いになりますが、これは基本的にできません。
一方、対診とは例えば接骨院で治療をしていて、これは骨折や何か別の症状の疑いがありX線や整形外科の先生の診断が必要になり、紹介状などで整形外科に紹介した場合や、整形の先生から「今後は接骨院で治療をしていて、たまに症状の経過をみせてくださいね」となった場合が対診に当たります。
整形外科と接骨院での治療は「併診」となってしまうと、接骨院の保険が適用にならなくなってしまいますが「対診」なら問題なく保険を使っての治療ができます。
上記では健康保険を使った上での「併診」と「対診」について書いてきました。しかし、交通事故での自賠責保険を使った治療ではすこし違ってきます。
健康保険での治療費は健康保険の方から約7割が支払われますが、交通事故での治療の場合、治療費は保険会社の方から支払われることになります。それなので、交通事故の場合は担当の方次第になるのですが、最近では接骨院で治療を受けるのは可能ですが月に何回かは整形外科も受診してくださいと併診を担当の方が自ら勧めてくる傾向にあります。
交通事故の治療はそのように担当者が自ら併診を勧めてくるので、この場合はこれで問題がありません。患者さん側としてはすこしややこしいですよね(汗)
少し話の方向が変わりますが、同じ怪我の治療を2か所以上の接骨院で治療をすることはできません。
分かりづらいので、たとえを言いますと足を捻挫してA接骨院で治療を受けました。ちょっと治療が合わなかったので、自宅近くのB接骨院でその足の捻挫の治療の続きを受けました。→ここまでは問題ありません。
しかし、B接骨院は混んでいて時間がかかるので、すこし離れたC接骨院を受診しました。→このA院からC院までの受診を同月内に行ってしまうと、少し問題があります。
また、A接骨院を受診して次にB接骨院を受診。翌日にA接骨院を受診してさらに次の日はB接骨院を受診。→このように2つの院を交互に受診することもできません。
ですので、接骨院で治療を受ける時はなるべく「ここで治療を受けよう!」と決めて受診することをお勧めします。短期間でコロコロ変えなければ、どうしてもその院の施術が合わない場合は変えることも可能ですので・・・。
ここまで病院や整形外科と接骨院の併診、対診、交通事故の場合や2か所以上の接骨院を受診する場合の注意点について書いてきました。
患者さん側からすると少し複雑でややこしいかと思います。
簡単にまとめると、病院や整形外科とは対診、基本的に2か所以上の接骨院は受診せずなるべく一つの接骨院にきめて治療を受ける。と、いうことに注意すれば問題ありません。
細かい点や分からない点がありましたら、遠慮なくご相談下さい。
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